top of page

北帰航

  • 執筆者の写真: 秋山善久
    秋山善久
  • 2024年2月9日
  • 読了時間: 2分

 近くの水の森公園を歩いていて、蕗の薹(ふきのとう)が顔を出しているのを見つけました。子ども心になって、春を探していると楽しくなります。散歩コースであるこの公園の端に丸田沢という溜池があります。毎年、ここに多くの鴨や白鳥たちがきて観察者たちを楽しませているのですが、その白鳥たちが北に帰るときが近づいてきました。夕暮れになると、周辺の餌場から編隊を組んで引き揚げてきて、少しづつ高度を下げながら布をかけるように静かに舞い降ります。それは何度みても見事と思える着水で、その姿をカメラに納めたい人にとっては絶妙なシャッターチャンスになります。

 遊歩道を歩いていて、そうした構えをしていた御婦人に「いい写真が撮れましたか」と声をかけてみました。するとその方は軽くカメラを持ち上げてニコリとしました。「今は五十羽ぐらいですかね。先週は百羽ぐらいいました」と私。「五時半ぐらいがピークになると思います。その頃には百羽になるでしょう。」と明るく答えてくれました。その時間には風も冷たくなるでしょうに、ずっと待っているようでした。

 北に帰る白鳥には、どことなく郷愁のようなものを感じます。一旦飛び立ってしまえば数千キロの旅をしなければならない。それは過酷な試練に違いないのです。それでも生き延びるためにはどうしても通過せざるを得ない。そうしていのちを繋いできたんだなあと考えてしまいます。それからすれば、地上に張り付いて生きている人というのは、愚かな存在にみえてしまうかもしれません。そういえば、聖画に描かれた天使の絵には、見事な翼が描かれていました。

 
 
 

最新記事

すべて表示
母の日

5月の第二日曜日は母の日です。今では広く知られていますが、この習慣が始まったのは1905年、アメリカのウェブスターの一教会での出来事が由来とされています。  アンナ・ジャービスという女性が、母の追悼集会にたくさんのカーネーションをもって来て母への感謝を表したというのです。そ...

 
 
 
悟りと救い

一年程前から、気が合った人たちと仏教の学び会をしています。先日は、「善悪不二」ということを学びました。「ぜんあくふに」と読み、善と悪は別々のものではなく、善の中に悪があり悪の中に善が在するというものです。悪とされていたことが、いつの間にか善とされていたり、反対に善とされてい...

 
 
 
出張

介護の夜勤開けでしたが、家に帰って朝食をとる間もなく、慌ただしく新幹線に乗りました。東京で開催された教団総会に出席するためです。仙台を出るときからの雪が東京駅に着いても止まないのは想定外。やはり傘を持ってくるべきだったと悔みながら、会場である両国にある国際ファッションセンタ...

 
 
 

Yorumlar


最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

© 2023 by COMMUNITY CHURCH. Proudly created with Wix.com

bottom of page