納豆汁2019年12月15日読了時間: 2分 最近凝っている食べ物に納豆汁があります。と言っても本物を食べたことがないので、果たしてそれが納豆汁と言えるものなのかどうか。ただ記憶を頼りに自己流で作っているだけです。40年程前、寮生活をしていた頃のことです。秋田出身である同室の友人が、突然、「納豆汁食いてえ」と叫んで六畳の部屋の中をのたうち回ったのでした。年末が迫り、故郷の味を思い出したのでしょう。私はそのとき初めて、この世に納豆汁なるものがあることを知ったのでした。友人の話で覚えているのは、みそ汁に納豆をすり潰して溶かすというようなものでした。それに油揚げを入れるみたいな。それだけのことですが、どういうわけか、最近その記憶がよみがえり、自分で作ってみることにしました。僭越ながら、私が試行錯誤をしながら得たレシピを紹介しましょう。1人前の作り方です。というのも、納豆そのものに好き嫌いがあるので、一気に家族全員の分を作るのは危険です。少なくても我が家では・・・。そこで納豆1パックの蓋を開け、これを包丁でトントンして細かく切ります。パックに入れたままするのがコツです。そうすれば、まな板をねばりで汚すこともありません。ひきわり納豆も市販されていますが、納豆汁には合わない気がします。十分に細かくなってペースト状になったものと、つぶつぶが半々に混ざったぐらいがベストです。これをみそ汁に溶け込ませます。最後に好みによって昆布つゆ、料理酒、みりんを加えて味を調え、ごま油を少し垂らします。ただし奥様の怒りに触れないようにです。
再会数年前、思いがけなく声をかけられて、青年時代の知人と再会しました。およそ50年ぶりになります。かつて私は日立製作所の社員でした。配属されていた現場には、開発を始めたばかりの超伝導の製品が流れていました。核融合の実験装置とか、リニアモーターカーの浮上装置のような物です。これは最先端の部署で学ぶようにと、担当課長の配慮によるものです。それでも、わたし自身は、連日の単調な作業に飽き飽きしていました。
梅の香り春の気配が漂う川沿いの道を散歩しました。愛犬がいた頃には、連れだってよく歩いた路ですが、五年ほど前に寿命でいなくなってからは、この道を通るのも久しぶりです。土手に枝を張った老梅は、もう満開が過ぎていました。それでも、白い花びらから放つ強い香りは春の到来を告げていて、鼻孔を懐かしく刺激します。大きく息を吸い込むと、子どもの頃の記憶が呼び覚まされました。 この季節だからでしょう。思い出したのは、笹竹
雑談とコーヒー教団総会の休憩で、知り合いの牧師と雑談をしていたのですが、思いがけなく話が発展しました。 「とにかく、最近は生(なま)の人間に向き合おうとしないんですよ。スマホでメールでやり取りしないと話し合えないなんて」 既に中年の域にかかったその牧師は、関っている若い人たちの感想を、溜息まじりに痛みを紡ぐように語るのです。 「そうですか。言われてみれば確かに」と、私は、手にしたコーヒーをゴクリと飲み込みなが
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