• 秋山善久

 何気なく雑誌をみていたら、マルチステージという言葉に目がとまりました。芸能人とかスポーッツ選手のことではありません。尺八を吹いているからといって、これからステージに立ちたいなどという野望を持っているわけでもなく、ただ、コロナ後というワードに興味が惹かれたのでした。記事をみれば、それはコロナ禍以後の生き方として、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんが提唱している新しい生活スタイルのことでした。それによれば、伝統的な人生というのは、三つのステージをもっているというのです。つまりフルタイムの教育期間、続いてフルタイムの仕事期間、最後にフルタイムの引退期間になると。今まで日本社会はそうであったけれど、高齢化が進んでそのような分け方はできなくなる。だから、そうした社会の枠組みでなく、いろいろなところで活躍できるマルチの生き方を身につけることが求められるというのです。

 なる程と思いました。たとえば定年ということにしても、今までの考え方では適応できないことがいっぱいあります。私自身、教団の厚生部会に長く所属していて、牧師の定年について考え、意見を述べてきました。印象が暗いとか地味と言われるのはそのためかもしれない。その小さな経験の中でも、若かったときと今では状況が大分違ってきています。コロナ禍による社会の変化は、そうしたことを一層加速させるでしょう。そんな中で、マルチの生き方というのは、明るいものを感じさせます。高齢化して杓子定規にできないということではなく、何かできるという発想が先だっているからでしょう。もちろんできなくなることを無視するというのではありません。高齢化すればする程弱いところが多く出てきます。病気もします。そうした部分を受け入れながら、新しい働きを見つけていく。それはとても楽しいことであるような気がします。

  • 秋山善久

最終更新: 5月6日





 教会の小さな庭に植えられたハナミズキが満開になっています。真っ白く咲くものと薄紅色のものとの二種類です。近くにある自然公園では、これと同じ科のヤマボウシみられますが、花の大きさと数という点ではハナミズキが圧倒しています。この花はアメリカ原産で、日本に入ってきたのは、1915年、アメリカに贈られた桜の苗への返礼品として届いたものとのこと。教会に植えられたのは、1991年、会堂が建設された年と思われます。

 ところでアメリカには、イエス・キリストが十字架につけられた木がハナミズキであるという伝説があるそうです。そのため前は大きかった花が小さくなり、花弁にはキリストが釘に刺された跡が残っているというのです。写真をみればわかるように、確かに花弁は伝説を思わせる色と形をしています。花弁が十字であるというのも、そうしたイメージをわかせます。けれども、イスラエルにはハナミズキは自生していないので、十字架の木として使われることはありませんでした。

 桜と違ってハナミズキは花持ちがいいので、四月末に咲いたまま、先日来の風雨にも耐えて花びらを落としていません。歌にも歌われたように、上に向かって広く伸びる枝につく花は、青い空に映えて気持ちを爽快にさせてくれます。

 


  • 秋山善久

最終更新: 5月3日

なくした眼鏡を探すのが嫌で、安い代替品をいくつかを買いそろえています。それでも見つけるのに手間取ってしまう。先日、出先でバックからスマフォを取り出したとき、いっしょに入れていたはずの眼鏡がみつかりません。バックの隅々を探しても、ポケットの中に手を入れてもどこにもない。どうにもならなくて、そのままスマフォを開いてみました。すると、いつもは霞んでみえない文字が鮮明に見えているのです。おかしい、目がよくなったのかな。ひょっとして若返ったのかと思って額に手を当てると、探していた眼鏡に指が触れました。

 以前、大学礼拝で奉仕していたとき、講壇の上に置いた聖書がよく見えないということがありました。これは、そこを照らすライトのせいだと思って、担当者に改善してくれるように頼んだのでした。ところが次のときに行くと、照明は前と少しも違っていません。聖書は相変わらずぼやけて見えます。どうしてなんだろうと少しイライラしたのですが、ふと、これは私の目が弱っていためではないかという考えが頭に浮かびました。翌日、100円ショップで老眼鏡を買い求め、それをかけてみると実によくみえる。そのときから眼鏡が手放せなくなりました。若いときから両眼の視力は2.0で、密かな自慢でした。その驕りが目の衰えを気付かせなくしていたのです。それから多くの時間が過ぎましたが、眼鏡の置き場所を探すという習慣だけは、未だになくならないでいます。嫌でも受け入れて付き合っていくしかないのでしょう。

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