海と雨
- 秋山善久

 - 9月13日
 - 読了時間: 2分
 
雨不足が懸念されていたのが、一転して各地で洪水のような大雨になっています。テレビの気象予報士によれば、海水温が例年より高いことが原因で、海から昇った大量の水蒸気が北から押し出された寒気に触れて大雨になっているとのこと。もっとも、線状降水帯を造る雲の流れは、様々な気象条件が重なっているようですが。
雨と海の関係は、小学生でも知っていることですが、近代になる以前には発想すらなかったのではないかと考えられます。なぜなら真水となる雨としょっぱい海水は、全く別物と考えられていたからです。実際、海水を真水にするなんて、昔はとてもできない高等な技術でした。だから海の水が雲を造り、それが雨となって空から降ってくるということは、容易に受け入れらるものではなかったでしょう。今では常識である水の循環というものは、自然科学の発達によって、人々に知られるようになったのでした。
それだけに、紀元前400年頃のパレスチナで、海と雨の関係が語られていることに、啓示の力というものを感じます。そこには、地に降り注ぐ雨が海の水から運ばれていることが語られているからです。「万軍の神は…天に高殿を建て、地の上に丸天井を据え、海の水を呼んで、地の表に注がれる方、その名は主」(マラキ書9章6節) 天の高殿というのは、地上世界と一線を画する神の領域です。地の上に丸天井が据えられたという表現、これも丸い地球を予表しているとも読み込める。そして、万軍の神は、海の水を用いて地のすみずみに雨を降らせるというのです。当たり前のように思っていることの中に、深い神の知恵が隠されているように思えてなりません。




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