塀の中
- 秋山善久

- 2020年9月15日
- 読了時間: 1分
久しぶりに塀の中にいるSさんと面会してきました。Sさんとはある
方に紹介されて以来、十年以上の交流を続けてきました。面会室は、
新型コロナウィルス対策のため、アクリル板が完全に塞がれていまし
た。以前は、口元に空気穴が開いていたのですが、それがなくなった
ので互いの声が届きにくい感じです。それよりも大きく変わったのが
Sさんが痩せてしまったことです。聞けば、5キロぐらいは体重が減っ
たとのこと。それでも、いつものように聖書の話をすることができ感
謝でした。
Sさんは一番それを願っているのです。最初にお会いしたときには、
とてもそんな会話はできませんでした。途中で言い合いになって、刑
務官に止められたこともあります。若いときにヤーさんになったSさ
んは、親分から鉄砲玉になるよう命じられました。その結果が今に至
っています。でもそれも過去のこと。組織から完全に足を洗ったので
した。
帰り際に、読み終わった本を預かってほしいと頼まれました。狭い
部屋に置く場所がないからです。既に200冊以上も保管を頼まれれい
て、私の方でも置く場所がなくなりかけています。でも、そんなこと
もSさんの部屋の比ではないのでしょう。




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