福寿草
- 秋山善久

- 2月20日
- 読了時間: 1分
子どもの頃、春先になると、友だちと家の近くの小川にイワナを釣りに出かけました。釣り竿は竹の枝を払っただけの手作りで、釣り針につける餌は川虫でした。長靴を履いて雪融けの冷たい川に入り、素手で川底の石をひっくり返すと、石にへばり付いた川虫を見つけることができました。冷えた体は日当たりのいい土手の上で温めます。辺りには福寿草が群生し、黄色い花をつけていました。
この数日、近所のお宅の庭先に福寿草が花をつけています。これは子どもの頃にみた野生のものとは違い、花がずいぶん大きく見栄えがします。それにしても、虫が出てくるにはまだ日があるのに、どうやって受粉するのだろうと考えてしまいます。花をよくみると、小さいながらめしべとおしべはあるのです。それに種はスーパーで普通に売られています。ただし蜜を出さないということですから、蜂とか蝶のような昆虫は始めから頼りにしていないのでしょう。
面白いことに、この花は向日葵のように太陽を追いかけます。花びらまでが、角度を変えて最大限に光を受けようとするのです。地に張った根は場所を動かすことはできません。でも、花を動かすことによって効率よく光の恵みをその中に取り込んでいる。花言葉は幸せを招くだそうです。




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