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罪と罰

  • 執筆者の写真: 秋山善久
    秋山善久
  • 2022年3月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年3月18日

 ドフトエフスキーの「罪と罰」を読んだのは、会社員をしていた二十歳前後のときでした。別に文学好きということではありませんでしたが、高校生のときに読んだトルストイの「戦争と平和」の記憶が頭に残っていたためであったのでしょう。文庫本を購入したのは、その頃、休日ごとに立ち寄っていた日立市の中央通りにあった本屋でした。寮に帰って読み始めた途端、たちまち引き込まれたことを今でも鮮明に覚えています。なぜ、それほどに夢中になれたのか、後から考えると題名が示すように罪がテーマであったからのような気がします。そこに示される罪は、なぜか自分の心の中を見透かされたようで、軽い疼きのようなものを感じていました。小説の中でのことなのに、昨日の出来事のように感じられる不思議さもありました。自分ではこの事件に大興奮しているのに、本から目を離すと何も変わらない日常の時間が流れている。同室の住人であったT君が、電気ポットにインスタントラーメンをつっこんで、岡林信康のチューリップのアップリケなんかを聞いている。そんなことが奇妙に感じられたことが懐かしく、またおかしく思い出されます。

 そんなこともあって、青年時代の私にとってロシアは未知の地であり、あこがれでもありました。会社をやめて、ハバロフスクからシベリア鉄道でヨーロッパに渡ろうと計画したこともあります。ただ、これは資金が足りなくて諦めましたが。そのロシアとウクライナが今、戦争をしていることがとても悲しい。

 
 
 

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