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  • 執筆者の写真: 秋山善久
    秋山善久
  • 2022年3月7日

 初めて空気感の違いを強く体験したのは、東日本大震災があった年の4月に東京まで出張したときのことでした。その頃、仙台市内のライフラインは徐々に復旧していましたが、教会周辺のガスとか水道はまだ使えない状態でした。新幹線も再開の目途が立っていなかったので、仕方なく満員の夜行バスに揺られて東京を往復したのです。新宿駅に降り立ったとき、そこに日常の生活があることが不思議に思えたことが思い出されます。電車はひっきりなしに動いていて、人々が忙し気に行き来している。今まで見てきた光景が、被災地の様子とあまりにもかけ離れていることに怒りに近い苛立ちを感じてしまいました。

 その頃、私は目が覚めたときから夜寝るまで、何かの救援活動に携わっていました。被災地に救援物資を届けたり、東北ヘルプでの会議があったり、支援者を被災地まで案内するなど、以前の日常が激変していました。被災地に足を延ばせば、子供の頃に海水浴を楽しんだ海沿いの町が、津波に襲われて跡形もなくなっていました。

 ロシア軍の攻撃から避難するウクライナの人たちを映像でみていると、あの大震災で感じたことが、逆の立場になっていることに気付かされます。助けを叫ぶ声や、悲しみ嘆く姿が映し出されても、映像では伝え切れない現実があるのでしょう。報道を見ていることにさえ、申し訳ないような気持ちになってしまいます。

  • 執筆者の写真: 秋山善久
    秋山善久
  • 2022年3月4日

 ニュースでロシアによるウクライナへのを侵攻をみていて、いきなり腹の中にぐっと手を入れられ、内臓を掴まれたような気持ちになりました。人の罪がどれほどに深いものであるかを思わされたからです。

 今週、祈り会で開いた詩79篇のことが頭に残っていたからでしょう。そこを学んだとき、旧約の時代に同じような出来事があったのだと気付かされました。この詩は、いつの時代に、どのような状況で書かれたものか確定できないと言われています。それでも国々によってエルサレムが占領され、破壊されてしまったたことは確かです。「神よ 国々はあなたのゆずりの地に侵入し、あなたの聖なる宮を汚し、エルサレムを瓦礫の山としました」(詩79:1)

 作者が目にしたのは、どれ程にショックで痛ましいことであったことか。「主よ いつまでですか」と問い続けています。ロシア軍の首都キエフを爆撃する映像が、エルサレム崩壊と二重映しになって頭の中をめぐります。でも、御言葉から一番に教えられているのは、自分たちの罪を自覚して神の憐みを求めていることです。「私たちを救い出し、私たちの罪をお赦しください」(79:9)

 今、ウクライナの問題で世界全体が暗い雲に覆われているかのようです。解決の道は程遠く、困難な状況が長く続くことが懸念されます。ロシアのしたことは赦しがたいことですが、そこで裁く側にだけ立っていたら自分の罪を見失ってしまう。だからこそ神の前に祈ることを第一にしていこうと思います。「あなたの大いなる力のゆえに」(73:11)です。

  • 執筆者の写真: 秋山善久
    秋山善久
  • 2022年2月28日

 ウクライナとロシアが戦争をしています。互いに国境を接していて歴史的にも文化的にもつながりが深いといわれている両国なのに、どうしてこんなことになってしまったのかと言葉がみつかりません。歴史を遡ると、10世紀末、現在のウクライナを支配していたのはウラジミール大公で、この大公は国政改革の一環としてキリスト教を国教に定めたのでした。

 それまでロシアの人たちは独自の民族宗教を信じていましたが、これを境に各地でキリスト教を導入し、それがロシア全域に広まっていったといわれています。ただし、これだとウクライナが兄でロシアが弟になってしまいます。ロシアのプーチン大統領は、それが気にいらないためか「ウクライナと言う国はもともとなかった。ロシア革命後にその指導者の譲歩によってできたのだ」と言っています。それはともかく、両国は互いを兄弟と呼ぶ関係であっただけに、各個人単位では結びつきが深いのです。それを無残に切り裂く政治とはいったい何なのかと思わされます。地下鉄の暗がりで「死にたくない」と涙を流しながらおびえている少女。自宅に落ちたミサイルで家族が死に、一人とり残されて途方に暮れている老女。完全武装した銃で威嚇しながら、夢遊病者のように目がうつろでいるロシア兵。混沌とした状況の中、解決の手段として核まで持ち出すことが話し合われています。何と馬鹿げたこと。正気とは思えないことに歴史の歯車は進んでいくのでしょうか。そうすれば、すべてのいのちが失われてしまう。だれも、そんな権威をもっていないはず。いのちは神のものであるからです。

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